IT業界希望の求職者の中には、「大手企業」を目指して、転職活動をしている人もいるでしょう。
確かに、大手企業は福利厚生や給料も高く、好待遇な所が多いです。
そんな大手でも、SES事業を中心としている場合は「やめとけ!」と私は言います。
何故、SESの場合はやめといた方が良いのでしょうか。
目次
SESとは?
SESとはシステムエンジニアサービスの略で、ITエンジニアを派遣する対価として、報酬を得る契約形態です。
「一カ月に150時間貸すから、報酬として60万円支払ってね~」というイメージ。
エンジニアは時給換算で働いていて、成果による責任は取りません。
要は、成果を出さなくても、働いていれば、報酬は貰えるという訳です。
IT業界の中でも、かなり多い契約形態で、未経験から転職した場合に引っかかる企業は、大抵SES事業を中心としています。
大手企業でもSESを避けるべき5つの理由
例え、大手企業であってもSESを避けるべきなのは、このような理由があるからです。
✅SESをやめたほうがいい理由
・単価が中小SESと変わらない
・帰属意識がなくなる
・評価基準が曖昧
・自社の社員と繋がりがもてない
上記の通り。
それでは見ていきましょう。
スキルが身に付かない
SESプログラマーは、通常のプログラマーと比べ、スキルが身に付きません。
というのも、SESでは、設計や要件定義などの上流工程は、やらせてもらえないからです。
上流工程は、システム開発の基盤で、品質に大きくかかわってくる部分な為、外部のエンジニアに任せることは少ないと言えます。
その為、SESプログラマーはプログラミングやテストなどの、下流工程を永遠とやらされスキルアップに限界があるのです。
通常、プログラマーはステップアップ先としてSEの役職が待っています。
しかし、SESではSEに必要なスキルが身につかない為、「いつまでたってもプログラマー」なんてこともありえるのです。
単価が中小SESと変わらない
「大手」と聞くと、給料も高いように思えます。
しかし、実際は中小と変わらないぐらいの給料なのです。
というのもSESでは、エンジニアを貸し出す単価というものがあります。
これは、「1カ月あたり60万円で貸し出すよ~」というもので、この例でいうと60万円が単価になります。
そんな単価なのですが、大手であっても、中小であっても、交渉で決まる単価は同じぐらい。
「大手だから単価が高い!」なんてことはないんです。
SESエンジニアにとって単価は、売り上げですから、単純に給料査定に直結します。
その為、大手企業であっても、SESである限りは給料も低いのです。
客先常駐(SES)の単価とは?給料との関係を現役ITエンジニアが解説
客先常駐(SES)の年収・給料が低いのはなぜ?【給料が良い労働形態も教えます】
帰属意識がなくなる
SESは他社に直行・直帰する労働形態の為、自社に行く機会がほとんどありません。
その為、エンジニアに帰属意識が生まれないのです。
客先に通勤するうちに「自分はどの会社に勤めているんだろう・・」と考えてしまい、ネガティブになってしまう人も珍しくありません。
また、下記の理由も帰属意識が生まれない大きな原因になっています。
・一緒に働いているのが、客先社員
・客先がホワイト企業
・帰社日があっても、無駄な話しばかり
・案件が変わる度に、別会社に派遣される
・客先社員との給料の違い
上記の通り。
特に、福利厚生や給料の問題などで、「うちはブラックだな・・」と、自社に大きな不満がある場合は、帰属意識がなくなります。
現在SESの人は、無理に帰属意識を持たせようとするのではなく、帰属意識が自然と生まれる企業を選ぶべきですよ。
そっちの方が、自分の為にも会社の為にもなるはずです。
客先常駐に帰属意識がない9つの理由【意識が低い会社は辞めた方が良い 】
評価基準が曖昧
SESは契約形態上、どうしても評価制度があいまいになりがちです。
大きな理由は下記2つ。
②客先からの評価は、現場によって違うから
①上司と働く場所が違う為、仕事内容が把握できないから
SESでは他社に派遣される契約形態の為、評価をする上司と職場が違う可能性があります。
その為、評価をする上司としては、部下が「どのような仕事をしているか」が把握できません。
仕事内容がわからなければ、「難易度の高い仕事なのか」それとも、「簡単な仕事なのか」を知ることも出来ず、正しい評価が付けられないのです。
②客先からの評価は、現場によって違うから
SESエンジニアを評価する最も多い手段として、客先からの評価があります。
自社はSESエンジニアの評価を、客先から聞きだし、今後の単価交渉の材料としたり、今後の給料Upの参考に利用します。
しかし、客先によっては、どのエンジニアに対しても厳しめの評価をする場合もあり、例え優秀なエンジニアであっても、正当な評価がされない場合があるのです。
反対に、ゆるめの現場などは、客先評価も上がりやすい傾向にあります。
その為、SESエンジニアの本来のスキルを、客観的に判断することが難しいのです。

自社の社員と繋がりがもてない
SESエンジニアは、自社に集まって仕事をすることがない為、自社社員との繋がりがありません。
単純に合う機会がない為、繋がりがもてないんですよね。
これの何が問題なのかと言うと、下記のメリットがなくなるからです。
・困ったときに、助けてくれる仲間
・気軽に接することが出来る上司・同僚
上記のことは、仕事をする上で非常に大切。
特に自社社員の仲間と言うのは、気軽に質問できて、助けてくれる存在です。
もし、質問する相手が全然仲良くなかったら、ちょっと聞きづらいですよね。
実際、聞けばすぐ解決することを、自分で考えて無駄な時間を過ごすこともあるでしょう。
要は、業務効率が落ちるんです。
実際、優秀なエンジニアは仲間を沢山もっている人が多いです。
情報共有や意思の伝達がスムーズに行えるからでしょうね。
また「仲間は客先で作ればよくない?」と思う人もいると思います。
実際、客先での繋がりというのも大事で、あったほうがもちろん良いです。
しかし、自社社員同士でしか話せないことや、わかりあえないこともあるので、「客先だけ」というのは、あまりよろしくありません。

大手SESより、自社開発の中小企業
例え、大手であっても、SES中心の企業に長く勤めるのはオススメしません。
それよりも、中小企業の自社開発です。
自社開発は、SESでは得られない多くのメリットが得られます。
・上流工程のスキルが身につく
・給料が上がりやすい
上記の通り。
自社開発企業は、資本力の高さから、労働時間もしっかり管理されており、給料も上がりやすいです。
さらに、価値の高いスキルも身につく為、「やっぱり大手に行きたい!」となった場合でも、転職は比較的容易。
ただ、間違っても大手のSESは選ばないでくださいね。
せっかくのスキルが無駄になってしまいますから。
ホワイトIT企業を目指すなら自社開発をしている会社にするべき理由
SES中心じゃなければ、大手でもOK
これまでの記事内容から、まるで大手を批判しているかのようでしたが、そうではありません。
SESでなければ、大手は願ったり叶ったりです。
大手は中小に比べ、「給料」や「福利厚生」などが、好待遇なことに加え、会社の将来性もあります。
その為、エンジニアとして安定的に仕事をしていきたいのであれば、大手を目指して転職しましょう。
反対に「上流工程から下流工程まで、ばりばりやるぞ!」という人は、中小の自社開発がおすすめです。
会社規模が小さい為、作業が分割化しておらず、システム開発全般に関わることが出来ますよ。
将来性がないと感じたら、すぐ行動に移すべき
「この会社、将来性がない!」と感じたら、すぐに行動に移すべきです。
というのも、SEなどのエンジニアは、若い方が転職で圧倒的に有利だから。
自分の市場価値が落ちる前に、ホワイト企業に転職してしまいましょう。
ただ、ホワイト企業は中々見つけられないものですし、内定難易度が高い。
そりゃそうです。競合も多いですから。
そんなときは、転職エージェントに頼ってしまうのが、手っ取り早いです。
転職エージェントとは、転職をサポートしてくれるサービスで、主に下記のことを行っています。
・面接対策
・履歴書対策
・あなたに合った求人の選別
・非公開求人の紹介
・企業データの公開
・代理での給料交渉
もちろん、SES事業を中心としている企業を避けたいのであれば、その旨を担当者に伝えればOK。
このような様々なサービスをしている転職エージェントですが、なんと全て無料で利用できます。
無料なのには理由があり、簡単に言うと、採用した企業側からお金が支払われるからです。
その為、求職者はお金を気にせず転職エージェントのサービスを受けることが出来ます。
「今の環境が辛い!」のだったら、まずは行動することが大事です。
自分から動き出さないと、何も変わりません。
転職エージェントはノーリスクの転職方法ですので、一度は利用してみるべきですよ。
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